【消費税等の基礎知識及び届出関係】

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[消費税等の基礎知識]

法人の設立1期目および2期目は、消費税の納税義務につき免税事業者となることが普通です。(注)

ただし、資本金の額又は出資金の金額が1,000万円以上である法人などの場合は、免除とはなりませんのでご注意くださいませ。

国税庁HPでの案内では次のように表わされています。

“小規模企業者の事務負担を軽減するため、その課税期間に係る基準期間(個人事業者の場合はその年の前々年、事業年度が1年である法人の場合にはその事業年度の前々事業年度)の課税売上高1,000万円以下の事業者は原則としてその課税期間の納税義務が免除されることになっています。”

 『基準期間』とは、このように一般の法人の場合(事業年度が1年の法人)ですと当期ではなく前々期(いわゆる2期前)のことをさしているものとイメージしてください。

ですので、一般的に“法人設立の1期目および2期目には基準期間がない”こととなりますので、“このことをもって免税となる”といわれているのです。

すると、設立第三期目が問題となってくるのです。

設立第三期目の基準期間は設立一期目をさしますので、設立一期目の課税売上高で当該第三期目が免税となるか又は課税となるかを判定することとなるのです。

基準期間の課税売上高が1,000万円未満であったなら免税であり、1,000万円以上であったら課税となるわけです。


 (注)設立2期目で課税事業者になるケースもございます。H23年9月改正により特定期間による判定が加えられております。(→法人の場合は、原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヵ月の期間(=「特定期間」)における課税売上高が1,000万円を超えた場合は、当課税期間から課税事業者となります。)

[設立一期目で課税事業者選択をする手法]

こちらは、ご参考としてご紹介いたします。

タイトルを見てピンとこない方々の方が多いかと存じます。

なんのことをいっているのか?といいますと、平たくいいますと消費税の還付を狙う手法だとイメージしてください。

輸出を専門に行う業者や設立1期目における設備投資額がかなり多大となる事業者などが利用します。

①課税事業者選択届出

前述のごとく、もちろん設立一期目および二期目はそのままにしておけば免税事業者です。

しかし、あえて『課税事業者選択届出書』を提出することにより課税事業者となり、かつ『課税期間選択特例変更届出書』もいっしょに提出するというわけです。

なぜこのようなことをするのかといいますと、設立一期目に特有の現象がおこりうるからです。

②設立初年度特有の現象

具体的に説明しますと、設立初年度においてはさまざまな備品消耗品や機械や車などをはじめ場合によっては建物や土地などを購入することがございますが、これなどがまさに初年度において特有の現象といえます。

これらのうちほとんどが課税仕入れとなっています。(土地などは除きます。)

また、一方では、会社を新設した当初の数ヵ月はこれらの準備におわれて売上高は上がってこないケースも多々ありえます。

というより、このケースのほうがむしろ一般的かとも思われます。

ないしは、決算月の関係にて設立してわすか数ヵ月で決算を迎えてしまうケースも考えられ、結果として設立1期目は売上高0円となることもありえます。

このようなケースを例にとってみると、極端には課税売上高=0円で課税仕入高=××××××円となりうるわけですので、計算すると消費税申告書の最終値(「消費税及び地方消費税の合計税額」)がマイナス(△)となることがおこりうるわけです。(記載する場合は数字の前に「ー」をいれます。)

このマイナス(△)の金額は、まさしく還付税額となるわけです。

つまりこの還付税額が、税務署から振り込まれてくるのです。

もちろん、いいことばかりではありませんで、この課税事業者選択届出書』を一度提出すると2年間は課税事業者となります。

③設立2期目以降

ことに設立2期目以降には1期目のように設備投資をしませんので、通常ですと2期目には消費税の納付税額が発生し納税義務が生じてくることがほとんどです。

1期目と2期目をトータルすると、むしろ還付税額より納付税額のほうが多くなる可能性も大となります。

④課税期間選択特例届出書

ちなみに、ご紹介したもう一つの書類の課税期間選択特例変更届出書』のほうですが、こちらは消費税の課税期間を通常一年ベースで計算するのですが、これを提出することによりこの課税期間(=計算期間)を3ヵ月または1ヵ月へと変えることが出来る書類です。

こちらも、なんのことか?と思われる方々の方がが多いかと思われますが、早い話が前述でご紹介したしました消費税額の還付を早い段階にて行いうる手法です。

⑤活用例-広告費等への投入

すなわち設立1期目にて行う設備投資などに係る消費税額等をこの手続きによって早い段階にて還付してもらうわけです。

この還付されてきた消費税額を広告費などの運営費などへ投入するなどの活用例が考えられます。

こちらは、あくまでご参考レベルです。(すべての企業が同様となるわけではありません。会社ごとに状況は異なります。)

 

[簡易課税制度]

消費税の計算方式には、2種類ございます。

一つは「本則課税」方式であり、もうひとつが「簡易課税」方式です。

前者は本来的な計算方法で、おおざっぱにいいますと、それぞれの取引・科目ごとに課税・非課税・不課税など区分経理し、最後にこれらを集計して課税標準に係る消費税額を課税仕入れに係る消費税額を差し引き計算し税額を求める方式となります。

一方、後者は、おおざっぱにいいますと、課税仕入れにかかる消費税額の求め方を簡易な方法(みなし仕入れ率)によってもとめる方法とイメージされます。

ちなみに、そのみなし仕入れ率は、卸売業で90%・小売業で80%・製造業で70%・飲食業などで60%・サービス業で50%、などとなっております。

こちらの「簡易課税制度」の選択は一定の要件がございまして、基準期間の課税売上高が5,000万円以下である事業年度でなければ適用できず、またこの制度の適用を受けたい事業年度の開始の前までに「簡易課税制度選択届出書」を提出する必要がございます。

この制度の選択をしますと2年間は簡易課税制度で計算しなければなりません。


(一般用)消費税の確定申告書の記載例(第27-(1)号様式)/国税庁の手引きよりフォーム抜粋
SCAN1286_000.pdf
PDFファイル 211.7 KB

※申告書の部分のみの記載例を掲載いたしております。これ以外に付表(計算の過程や明細を表す計算表)がございます。実際には付表を添付して提出しなければなりません。

消費税課税事業者選択届書(表面)
SCAN1289_000.pdf
PDFファイル 416.6 KB
消費税課税事業者選択届出書(裏面)/消費税課税事業者選択届出書の記載要領等
SCAN1288_000.pdf
PDFファイル 203.1 KB
消費税課税期間特例選択変更届出書(表面)
SCAN1291_000.pdf
PDFファイル 373.3 KB
消費税課税期間特例選択届出書(裏面)/消費税課税期間特例選択・変更届出書の記載要領等
SCAN1290_000.pdf
PDFファイル 217.5 KB
消費税課税事業者選択不適用届出書(表面)
SCAN1287_000.pdf
PDFファイル 365.4 KB
消費税課税事業者選択不適用届出書(裏面)/消費税課税事業者選択不適用届出書の記載要領等
SCAN1286_000.pdf
PDFファイル 211.7 KB
(簡易課税用)消費税の確定申告書の記載例(第27-(2)号様式)/国税庁の手引きよりフォーム抜粋
SCAN1286_000.pdf
PDFファイル 211.7 KB

※申告書の部分のみの記載例を掲載いたしております。これ以外に付表(計算の過程や明細を表す計算表)がございます。実際には付表を添付して提出しなければなりません。

消費税簡易課税制度選択届出書(第24号様式)/表面
SCAN1289_000.pdf
PDFファイル 416.6 KB
消費税簡易課税制度選択届出書(裏面)/消費税簡易課税制度選択届出書の記載要領等
SCAN1288_000.pdf
PDFファイル 203.1 KB
消費税簡易課税制度選択不適用届出書(第25号様式)/表面
SCAN1287_000.pdf
PDFファイル 365.4 KB
消費税簡易課税制度選択不適用届出書(裏面)/消費税簡易課税制度選択不適用届出書の記載要領等
SCAN1286_000.pdf
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